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女優の新田恵利さんが実践した、母と子が幸せになれる介護~その日は突然に~

約6年半に及ぶ介護生活を綴った書籍、
「悔いなし介護」がAmazonで高評価の、女優の新田恵利さん。

華やかな女優業の傍ら、
自身の母が少しずつ老いていく姿を、
懸命に受け止め、優しく寄り添いながら、
介護生活を楽しむ姿が印象的です。

今回は、新田さんに、介護で工夫したこと、大切にしていた事などを伺いました。

目次

長いようで短かった、介護生活の大切な思い出

突然スタートした介護

ーーーーお母さまの介護を経て、今どのようなお気持ちでしょうか。

 「突然訪れた介護生活は、6年半で幕を閉じました。母を看取って、約一年半が経とうとしています。少しずつですが、心の整理もできるようになってきました。今、振り返ると…そうですね…。とても短かったような気になります」

ーーーー途中、大変な時期はありましたか。

「もちろんありました。出口の見えない、暗く長いトンネルだ、と感じた時期がありましたね。その時は、一体この介護はいつ終わるのだろう?終わりがあるのだろうか?と、苛立ちを覚えましたし、そう思ってしまう事に対して、罪悪感を感じたりもしました」

「でもやっぱり、過ぎてしまえばとても短くて、母にとっても、私達子供にとっても、介護はとても幸せな時間で、大切な思い出です」

介護は、しあわせで、私の大切な思い出

少しずつ体が弱っていく母の姿を、目の当たりにしながら

歩く速度、筋力、身長の変化

ーーーーお母さまの体の変化は、どのような時に感じましたか?

「母は、もともと歩くスピードが私よりも早かったんです。けれど、それが次第に、私よりも遅くなっていきました。そして、いつの間にか、私の腕に捕まりながら歩くようになり、最後は、支えるのが大変なほど、私に体を預けるようになっていきました」

「お買い物でも変化がありました。10キロのお米の袋を持ち運んでいた母が、5キロのお米を買うようになりました。その後、ペットボトルすらも重くなり、12個入りのトイレットペーパーさえ持てなくなっていきました」

骨粗鬆症だった母は、私より背が高かったのに、いつのまにか私の肩ほどになっていました。これが老いるという事なのでしょう」

老いていく、という現実を、見つめる

介護は「ありのまま」と「信頼関係」が大切

ーーーー新田さんは、仲良し親子だったそうですね。

「そうですね。私と母は仲が良く、嫁いだ3年後には二世帯住宅を建て、母を呼び寄せました。母が亡くなったとき、私は53歳。その53年間の人生で母と離れて暮らしたのは10年だけでした。ですから日々の生活で老いていく母を見ている訳です」

91歳のお祝いを、自宅にて

ーーーー介護は、ありのままが大切だと。

「はい、その通りです。『出来なくなる』から介護が必要なのです。老いていく事を受け入れて、ありのままを受け入れれば、色々な事がスムーズに進むと思います」

「ありのまま」を受け入れる、という心構え

介護で問われるコミュニケーション力

認知症学会で学んだこと

ーーーー介護について、さまざまな事を学ばれたそうですね。

「介護でもう一つ大切なのは「コミュニケーション」です。認知症学会の会長さんは「信頼」があれば、言うことをきいてくれるとおっしゃってました」

親は子供を「信用」してくれていますが、
果たして「信頼」されているでしょうか?

信用と信頼の違いとは

ーーーー信用と信頼は同じような意味では?

「信用と信頼は似ているような言葉に見えますが、実はちょっと意味が異なります」

「信用」は、「過去の言動や実績から確かなものと信じて受け入れる事」
「信頼」は、「未来の行動を信じて頼りにする」

あなたは、高齢の親から、頼りにされてますか?

離れて暮らした10年の間、毎日続けたこと

ーーーー新田さんは、10年間だけお母さまと離れて暮らしていたそうですね。

「はい。離れて暮らしていた10年間は、毎晩、母に電話をしてました。5分話す日もあれば、1分も話さない日もありました。ですが、毎日欠かさず「変わりがない」ことを確認してました」

ーーーー毎日というのは、なかなか実行するのが難しいですよね。

「私の場合は少し過保護?かもしれません。しかし、年に数回しか会わないのでは、明らかにコミュニケーション不足だと思います」

たとえ会えなくても、毎日1分だけ、話そう

高齢の親がいる、あなたへ

ーーーー最後に、高齢の親の今後について悩む人々へ、メッセージをお願いします。

「会えない時は電話やSNSで、週に一度または隔週でコミュニケーションを取っていれば、信頼の絆が太く強くしっかりと結ばれていくような気がします。でもマメな連絡は邪魔という親御さんもいらっしゃるでしょうし、本当は人それぞれですが、このお話が『キッカケ』になってくれたら嬉しいです」

ERI.NITTA🌵

新田恵利さん プロフィール

1968年3月17日生まれ・埼玉県出身

1985年CX「夕焼けニャンニャン」(おニャン子クラブ会員番号4番)で芸能界デビュー

1986年1月1日「冬のオペラグラス」でソロデビュー後、映画、舞台、ミュージカル、エッセイ、小説も手掛け、タレント・女優・作家

趣味のハンドメイド(ジュエルDeCoReインストラクター、スクラップブッキングインストラクターなど)、旅行、DIY(2017年・熱海に中古住宅を購入、夫婦2人で解体→リフォームをYouTubeで公開中)

2014年・秋から実母の介護が始まる。在宅介護の生活の中で認知症サポーター、おむつフィッター3級などを取得。

2021年3月に在宅での看取りを経験し、6年半の在宅介護生活を卒業。書籍の出版、講演を通して自らの経験を生かした「いいふらし介護」の講演を積極的に全国で行っている。

【資格】
・ジュエルDECOREインストラクター・スクラップブッキングインストラクター・油圧ショベル(ユンボ)・日本茶アドバイザー・カラーコーディネーター3級・はちみつマイスター・おむつフィッター3級・認知症サポーター・東洋食薬ライセンス1級・日本のお漬物マイスターネット検定

【映画】
・ちょうちん(1987年)・HAPPYダーツ(2008年11月8日公開)・ノン子36歳(家事手伝い)(2008年12月公開)・40歳問題(2008年12月公開)

【舞台】
・おはん・若草物語・ピーターパン・島崎藤村・源氏物語・アルプスの少女ハイジ・結婚の偏差値

【ラジオ】
・ラジオ日本「加藤裕介の横浜ポップJ」火曜レギュラー

【書籍】
悔いなし介護(主婦の友)2021年9月
これじゃあ結婚できないわ…(ひかり出版)
アイドルとつき合う方法(宝島社)

新田恵利さんホームページ・SNS

ホームページ https://www.eri-nitta.com
ブログ https://ameblo.jp/nittaeri/
Twitter「eri_n_official」https://twitter.com/eri_n_official
YouTube「新田工務店」https://www.youtube.com/channel/UCvcI2QYMko6Z7cY2uN6Vf6Q
Voicy「新田恵利の言いふらしラジオ」https://voicy.jp/channel/2420

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