あなたは、車いすに乗って走行した経験があるでしょうか。慣れない人にとって、車いすでの移動はなかなか大変です。
パラリンピックでは、選手が車いすで自由自在に移動しながら、競技を行っている姿が印象的ですが、あれは日ごろからのトレーニングの成果ですし、競技用の車いすは一般的なものとは構造が全く異なります。
素人が普通の車いすに乗ったところで、あのように華麗に動くことはできません。
今回は、歩くのが困難になってしまった高齢者にとって、大切な移動手段である「車いす」について、様々な角度から選ぶポイントをお伝えします。
この記事を読むと、車いすの選び方を理解することができ、お得に購入する方法もわかります。
車いすの定義は?「椅子」なの?
私たちが普段よく目にする「車いす」とは、歩行が困難な方向けの福祉用具としての機能を持っています。
一般的なものは、自転車のタイヤによく似たものが両側にあり、さらにその前方の足元の両側に、自由自在に向きを変えられる小さなキャスターが付いています。
「いす」という名称がついていますが、実際の生活では、椅子としての機能があるというよりは、タイヤが付いた便利な移動のためのツール、という方が合っています。
なぜなら、車いすは、通常私たちが使っている椅子と違って、背もたれが後ろの方に傾いているため、例えば食事の際に車いすに乗った状態だと、食べにくくなってしまうからです。
更に、脚もやや上に持ち上がっているため、前かがみになりにくく、車いすにのったまま食事をすると、後ろに傾いた状態で食事をすることになってしまいます。
介護者に食べさせてもらうのなら、それでも良いかもしれませんが、自分で食べることができる高齢者にとっては、通常の椅子の方が食事中は楽です。
以上のように、車いすは椅子とは異なり、基本的には、安全に移動をするための機能をもつものです。ですから、歩けない高齢者でも、ずっと車いすで生活するよりは、用途に応じて、椅子に移動させる方が、本人にとってはより良い生活ができます。
また、外出した際には、法律上、車いすは歩行者と同じ扱いになり、歩道の上を移動することが許可されています。
高齢者がどのような状態になったら使うべき?
一般的には、要介護3~4で車いすを使う人が多くなっています。ケガや病気により寝たきりになってしまった高齢者や、自力での歩行が難しくなった場合は、車いすを頼らざるを得ません。
一方で、歩行ができる高齢者であれば、すぐに使うものではありませんので、介護がスタートしたからといって、急いで購入する必要はありません。じっくり検討してからでも間に合います。
介護が始まったとしても、家や介護施設内で、なるべく歩くように心掛ければ、筋力の低下を防げますので、歩ける高齢者は車いすに頼らない方が良いでしょう。
~遠くに外出し、長時間歩かなければならない時は?~
お世話をする周りの家族に負担がかかりますので、その日だけレンタル品を取り寄せてみるのも良いでしょう。
さがしてみよう、車いすの体験イベント!
車いすの人を街中で見かけることはあっても、実際に自分が使ったことがなければ、使っている人の気持ちを正しく理解することはできません。
自治体によっては、高齢者の生活の疑似体験として、車いすに試乗したり、実際に車いすの操作をするようなイベントが開かれているところもあります。
例えば、東京都内では、疑似体験を通して、高齢者の状態や気持ちを理解し、「自分のできる範囲で街の困っている人を助けることができるようになろう」といったテーマの講座があります。
あなたの街でも、似たような講座があるかもしれません。ぜひ検索してみてください。
もしなかったとしても、出張講座として用意してある自治体もあります。出張講座はある程度の人数が集まれば、住まいの近くの公民館等へ来てもらうことができますので、地域の知人に声をかけて、皆で受講してみるのも良いでしょう。
きっと、高齢者の介護のために役立つはずです。
選ぶ際に知っておきたい、車いすの種類
車いすは、まず価格から選ぶのではなく、高齢者の体の状態や要望を聞き、最適なタイプを選びます。車いすの種類が決まったら、レンタルor購入を決めるのがベストです。
(※この記事の下の方に、お得に購入できるアウトレットのご紹介もしています)
高齢者の体の状態・お悩みごと | 車いすの種類 |
---|---|
自分で車いすの操作ができる | 自走用 |
座れるが、自分では操作ができない | 介助用 |
寝たきりで、ベッドから起き上がるのも困難 | リクライニング式・ティルト式などの高機能付き |
病気やケガにより身体の状態が特殊で、 一般的な車いすが合わない | モジュールタイプで細かく調整 |
自分で車いすを操作したいが、筋力がない 高機能で高品質なものを選びたい | 電動式車いす |
自走用が人気な理由
自分では車いすを操作できないが、自走用を好む人もいます。
その理由は、重量があって、タイヤも大きいため、外出して走行する際に安定感があって乗り心地が良いからです。押す側の人にとっても、操作しやすい、というメリットがあります。
これは、子ども用のベビーカーをイメージするとわかりやすくなります。
0歳の頃に使うベビーカーは、軽いものよりも、重いものの方が安定感があり、揺れが抑えられるため乗り心地も快適です。また、親が操作する際に、道の段差があっても、あまり抵抗を感じずに進むことができます。
一方で、軽いタイプのベビーカーを使うと、折り畳んで持ち運んだり、車にのせるためには良いのですが、道路を進む際には、ちょっとした段差でもガタン!となり、振動も赤ちゃんへ伝わりやすくなります。
そのため、店頭では、ベビーカーで比較的重量がある物の取り扱いも多くなっています。
つまり、車いすも、ベビーカーと同じことがいえます。自走用の重さをメリットと感じる人が多いのは、このような理由からです。
車いすの事故に気を付けよう!
車いすは安全に移動できて便利なものですが、事故が起こる可能性もあります。
一番危険なのが、まだ歩ける高齢者を車いすに乗せていた場合に、自分で立ち上がろうとして、誤って転倒してしまうパターンです。
高齢者の骨折は、打ち所が悪いと回復に時間がかかり、寝たきりの原因にもなりますので、この事故は避けたいものです。
元気があって歩ける高齢者は、なるべく車いすを使わず、ゆっくりでも良いので毎日歩く方が筋力維持のためには良いのです。
車いすの価格帯はどのくらい?
全額自己負担でレンタルした場合
一般的な自走用・介助用
格安だと3000円からありますが、一般的には1ヶ月5000円~が目安です。
リクライニング式・ティルト式・モジュール機能付き
一般的なものより価格は高くなり、8000円以上かかります。
電動式
レンタル品の中でも最も高額となり、1万円以上かかります。
全額自己負担で購入した場合
一般的な自走用・介助用
格安だと1万円台もありますが、目安としては2万円以上となります。
※あまり安すぎても、すぐに故障して買い替えるようではかえって高くなってしまいます。
リクライニング式・ティルト式・モジュール機能付き
高機能であることから、一般用よりも高くなります。5万以上が目安です。
電動式
電動式を購入すると、かなり費用はかかります。中には100万以上するものもありますが、目安として最低でも15万円~です。
介護保険は適用されるの?
介護認定を受けた高齢者のうち、一定の条件を満たす場合、介護保険が適用されて割安でレンタルが可能になります。
負担額は所得によっても異なりますが1割~3割程度です。
例えば、レンタルで5000円するものでも、介護保険が適用されると、1割負担なら月額500円でレンタルできます。購入する前のお試し期間として利用してみるのも良いでしょう。
介護の度合いや高齢者の状況によっては、適用されないことや、逆に例外として認められるケースもありますので、詳しくは担当のケアマネジャーへお問合せください。
ここがポイント!
介護保険を使っての購入はできません。適用となるのは、レンタルのみです。
レンタルした場合のメリットとデメリット
購入した場合のメリットとデメリット
車いすをお得に購入するなら、アウトレットがおすすめ!
レンタルよりも購入したいけれど、高くて迷ってしまう…。そんなあなたへお勧めなのが、アウトレットの車いすです。
アウトレットなら、高品質な車いすを新品よりも低価格でお得に手に入れることができます。人気商品はすぐに完売しますので、お早めにどうぞ!
まとめ
今回は、介護のための車いすの選び方についてお伝えしました。
・高齢者の体の状態に合うものを選ぶ
・使用期間を見据えて、レンタルか購入かを選ぶ
・お得に買うならアウトレットがお勧め
あなたの大切な高齢者が、車いすによって外へ出かける機会が増え、ますます充実した生活が送れるといいですね。