あなたは、病院でこんな経験をしたことはないでしょうか。
このように、高齢者の介護をしながら、薬をもらうためだけに、付き添って通院するのは、時間的にも負担が大きくなります。
感染症の影響もあり、通院回数をなんとか減らせないのか、と考えた人も多いのではないでしょうか。
今年の春から、リフィル処方箋が日本でも解禁になりました。これは、欧米では昔から当たり前のように利用されている制度です。これを賢く利用すれば、時間を有効に使え、経済的にも負担が軽減されます。
今回は、新しい制度のリフィル処方箋についてお伝えします。
リフィル処方箋って何?
体の症状が、安定している場合に限り、
医師の処方により薬剤師との適切な連携の下、
一定期間内に処方箋を反復利用できる仕組み
例えば血圧の薬を毎回処方されていて、体の状態が安定しており、特に診察を受ける必要もない人は、医師の判断により、同じ処方箋を薬局で繰り返して使える、ということです。(※但し、最大3回までと決められています)
つまり、通院をしなくても、リフィル処方箋があれば、薬局で同じ薬を最大3回まで処方してもらえるということです。
(出典:厚生労働省 令和4年度調剤報酬改定をもとに作成)
分割調剤とどう違うの?
これまでも、薬を分けて処方する分割調剤がありましたが、これはリフィル処方箋とは目的が異なります。
例えば、薬が長期保存に適しておらず、一度に全部の量を処方することができない場合などに限り、分割調剤を行います。
リフィル処方箋のメリット・デメリット
病院側としては、通院の人数が減りますので、新規の診察や、緊急対応に時間を使えるようになるメリットがある一方で、診察に関しての収益は当然ながら減ってしまいます。
また、薬局側としては、新たにリフィル処方箋の業務が増え、責任を感じる場面が以前より増えます。
患者側のメリット・デメリットは?
デメリットが気になるところですが、薬局でも、次のような対応をしてもらえます。
このように、薬剤師の方と対話をしながら、体と薬の相性をみてもらえるのは、安心感がありますよね。
高齢者にはリフィル処方箋は向いていない?
先ほどの、デメリットでも書きましたが、これまでの診察回数が減ってしまうことにより、高齢者の体の状態を診てもらう機会が減ります。それが不安なのでしたら、リフィル処方箋は利用すべきではありません。
しかし、高齢者は、複数の病院へ通院していることが多いかと思いますので、経済的負担や時間的負担を考慮しますと、長年の持病などの薬は、リフィル処方箋を賢く利用するのも良いのではないでしょうか。
また、通院せず、ネットで診察を受ける方法もあります。スマホやパソコンを使って、ネット上で医師の診察を受け、いつもの薬の処方箋を出してもらえたり、薬を郵送してもらえるサービスです。
費用はかかりますが、病院までの交通費や待ち時間などを考えると、一度試してみる価値はあります。
利用できないケースはあるの?
利用者にとってメリットの大きいリフィル処方箋ですが、使えないケースも多々ありますので、医師の判断が必要です。
・対象外の薬の場合
・利用者の体の状態が良くない場合
このように、一部対象外の薬がありますので、医師にご相談ください。また、健康状態が安定していなければ、リフィル処方箋は利用できません。
老人ホームなどの介護施設へ入所した場合の通院は?
施設へ入所した場合、それまで長年通っていた、かかりつけの病院へは通えるのか、不安になることもありますよね。
介護施設によって対応は様々で、かかりつけの病院まで職員が付き添ってくれる所もありますが、昨今の人材不足の問題もあり、個人的な要望に応じるのが難しい施設も多数あります。
その場合でも、介護施設と提携している病院から医師が来訪し、定期的に診察を行うなどの対応をしてもらえますので、心配はありません。
家族が近距離に住んでいれば、病院へ付き添うことも可能ですが、時間的に余裕がある人以外は難しいでしょう。
住み慣れた街の近くで介護施設をさがすなら
通院に関して、介護施設側がどのような対応をしているのか、入所前に調べておくと安心です。
長年住み慣れた街の近くの介護施設であれば、かかりつけの病院へも近く、安心感もあります。後々の通院のことまで考えた介護施設選びは、プロに任せた方が、良い施設を紹介してもらえます。
あなたの高齢者に合った良い施設の紹介は無料ですので、ぜひお気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
まとめ
いかがでしたか。高齢者の病院の付き添いは、待ち時間や往復の時間などで負担が大きくなりますよね。
もし、高齢者の体の状態が安定していて、毎回同じ薬を処方されているようでしたら、リフィル処方箋について、医師に相談してみてはいかがでしょうか。