家で介護をすることになったとき、周囲と協力しながら交代で介護ができれば一番良いですが、事情によっては助けが得られない時もありますよね。
例えば、
・遠方に住んでいる親戚の冠婚葬祭に出席するため、帰りが遅い時
・外泊で家を空けなければならない時
・介護者が急病で倒れて入院した
・介護者がケガを負い、一時的にリハビリが必要
など、急な事情があって家に居られない時は、いつも通りの介護をすることができません。
仮に、高齢者の介護の度合いが要支援1や2などの軽度であれば、少しの間不在にしても大丈夫かもしれませんが、要介護度が高く、認知症も進んでしまった高齢者の場合は、少しでも目を離すと、何か事故でも起こるのではないかと心配になりますよね。
実際に、高齢者の事故は、自宅内が一番多くなっていますので、いつもの介護者が不在となった家では注意が必要です。
どうしても家を空けなければならない場合は、ショートステイというサービスがとても役に立ちます。今回は、一時的に介護をすることができなくなった時に助かる短期利用サービスをご説明します。
短期入所のショートステイとは
介護のためのショートステイは、事情により家でいつも通りの介護が受けられない時に、一時的に老人ホームなどへ入所して暮らすことです。次の3つの種類があります。
①短期入所生活介護
介護が必要な高齢者が老人ホームなどへ短期間だけ入所し、食事や排せつ・入浴などの介護を受けながら安全に過ごすことができます。
②短期入所療養介護
介護だけでなく、療養が必要な高齢者のために、介護老人保健施設や医療機関で、リハビリや医療・介護などを受けることができます。
③民間の老人ホームが提供するショートステイ
介護保険の対象外となってしまいますが、介護付き有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などが提供している介護のショートステイもあります。
以上の事をまとめると、このようになります。
短期入所生活介護・短期入所療養介護 | 民間の老人ホームのショートステイ | |
---|---|---|
運営者 | 公的機関 | 民間企業 |
介護保険適用 | 〇 | × |
予約の取りやすさ | × | 〇 |
費用 | 低 | 高 |
公的なショートステイは急な入所ができない場合があります。その際には、近くの民間の老人ホームに問い合わせてみると入れる可能性は高まります。
ショートステイの1日の暮らし
日中の基本的な流れはデイサービスと同じようなイメージです。
スケジュール一例
6時半 起床・着替えや検温等
7時半 朝食
10時 趣味の活動・仲間とのレクリェーション・体操など
12時 昼食
15時 入浴やティータイム
18時 夕食
21時 就寝
利用者の条件・期間
対象は、要介護認定を受けている要支援1・2~要介護1~5までの高齢者です。(40歳以上でも、条件を満たせば対象となることもあります)
介護保険を利用する場合は、1日~最大30日までが対象となり、介護の度合いによって、最大の期間は変わります。要介護度が低いほど日数は少なく、要支援の場合は約10日程度が最大です。
もしも延長を希望するときは、全額自費で支払う必要があります。
公的なショートステイ(介護保険適用)のサービス費用
首都圏内のサービス料金一例をご紹介します。
介護の度合い | 生活介護の費用 | 療養介護の費用 |
---|---|---|
要支援1・2 | 約5000円~6000円程度 | 約6,000円~8,000円程度 |
要介護1~5 | 約6000円~9,000円程度 | 約8,000円~10,000円程度 |
※地域や施設によって異なる場合がありますので、あらかじめ担当のケアマネジャーへご相談ください。
※介護の度合いによって負担料金が異なります。(1割~3割負担)
※施設での宿泊費や食事代は別途かかります。
ショートステイを利用した高齢者のメリットとデメリット
短期入所は、介護を行う側だけでなく、介護を受ける高齢者側にもメリットがあります。
一方、精神的なデメリットも考えられます。最初は短期間で様子をみることも大事です。
介護保険サービスを利用する場合の申込手順
費用など、あらかじめ確認しておきましょう。
介護付き有料老人ホームさがしが楽になる無料サービス
自宅での介護に限界を感じたら、介護付きの老人ホームさがしをスタートさせましょう。現在は、全国の老人ホームを無料で紹介してもらえる便利なサービスがあります。
日々の介護に追われていたら、老人ホームを選ぶ時間もないほど忙しいはずです。そんなとき、頼りになるのが、介護施設紹介センターです。
まとめ
いかがでしたか。今回は、急な事情で介護ができなくなった時に利用できるショートステイをご説明しました。
このサービスは、冠婚葬祭や急病だけに限らず、介護者の疲労が原因で、一時的に利用する人もいます。より良い介護を継続して行うためには、介護者が心身ともに健康であることも非常に大切なことですので、たまには旅行などで息抜きをするためにも、ショートステイを賢く利用しましょう。
そして、もしも自宅での介護がつらくなってしまったら、倒れるまで頑張りすぎず、プロの力を借りて施設選びについても少しずつ話を進めていきましょう。