多くの人が勘違いをしていることですが、介護保険証が手元にあったとしても、何も手続きをせずにいた場合、効力は発揮されません。
介護保険証を使って介護保険サービスを受けるためには、事前に介護の度合いを認定してもらう必要があります。
しかし、認定調査の日に限って、高齢者本人が日常と全く異なる対応をしたり、事実とは違うことを言ったらどうなるでしょうか。
そのまま周囲が何も対応しなければ間違った認定をされてしまう可能性もあります。
実際に、介護のために家族が疲労しているのに、正確に認定してもらえなくて困った、というケースもあります。
今回は、正確な介護認定をしてもらうための対策についてお伝えします。
要介護認定調査とは
「介護の度合い」は要支援1~2・要介護1~5までの7段階に分かれており、それぞれ受けられる介護保険サービスも異なります。
この度合いを認定するための事前調査が、要介護認定調査といい、介護認定の申請をした高齢者は、必ず全員受けるものです。
認定調査までの手順
介護保険証を持参しましょう。
家族と本人のスケジュールも合わせます。
ヒアリングの時間や体の状況により所要時間は変わりますが、1時間前後で終わります。
費用はかかるの?
2022年現在、介護認定のための調査費用は無料となっています。
予想通りの結果が出ないと何が困る?
介護の度合いは、素人判断ですぐにわかるものではありません。
しかし、高齢者本人が「自分でできること」「自分でできないこと」について毎日見ている家族にとっては、本人のためにどんな介護保険サービスを利用すれば生活がより快適になるのか、本人や家族が楽になるのか、ということは予想がつきます。
そのため、必要な介護保険サービスの内容から、だいたいの介護度合いの予測はつくものと考えられます。
ここで問題なのは、予想していた介護の度合いと、調査結果が異なった時です。使いたかった介護保険サービスが利用できなくなるわけですから、当然、本人も家族も困ります。
ですから、介護認定を正確にしてもらうために、家族が配慮すべきなのです。
予想通りの判定が必ず出るとは限らない理由
以下のことが原因で、正確に判定できないことがありますので、注意が必要です。
やっておくべき事前準備
介護認定調査は、1時間程度で終わります。この時間内に、伝えたいことが全て伝わるとは限りません。
高齢者への質疑応答の時間も含まれますから、家族側の話をじっくり聞いてもらえるわけではないのです。かといって早口になってしまっては正確に伝わりません。後になって、もっと言うべきだった…と後悔しないためにも、次のような事前準備は必要です。
ここがポイント!
介護認定を判定する際に、かかりつけ医の意見書もあわせて提出します。医者へ現状を正確に伝える工夫もしましょう。
調査当日に気を付けるポイント
スムーズに進めるためのポイント
・本人のプライドを傷つけない(後の関係性が悪化してしまいます)
・言いにくいことは本人のいない場所で伝える
・言葉であらわしにくい事は、スマホを活用する
具体的にはこんなことに気を付けましょう。
- 時間が足りないなどの状況に応じて、伝えたいことをまとめたメモを渡す
- 高齢者のできる事できない事についての判断材料になるため、部屋の中を日常とあまり変わらない状態にしておく(特別にその日だけ片付けすぎてしまうと伝わらない)
- 高齢者本人が言ったことについて、本人の前で否定したり、もめごとに発展させない
- 本人が気にしていることを本人の聞こえる場所では言わず、離れた場所で調査員に伝える
- スマホの写真や動画を調査員に見せる
話の途中で、介護についての一般的な質問をしたくなるかもしれませんが、それはやめておきましょう。なぜなら、介護認定調査員は、高齢者のありのままの姿を正確に把握するために訪問しているからです。
家族側が世間話や悩み相談をしていると時間があっという間に過ぎてしまいますので、そのような相談事は、別日程で、自治体の介護相談窓口や、地域包括支援センターに相談して、ゆっくり時間を取りましょう。
介護認定調査が終わったら始めたい介護施設選び
介護施設は、介護の度合いによって入れる施設も異なります。気を付けたいのは、要介護度が上がってもそのまま継続して住めるかどうかです。
何度も引っ越しをしなくても済むように、末永く安心して暮らせる施設を選びたいものですね。
高齢者の現状や要望を細かくヒアリングし、一人では大変な介護施設選びを親身になって相談にのってくれる便利なサービスがあります。
紹介料は完全無料ですので、一度お試しください。
まとめ
今回は、介護保険サービスを利用する際には必須となる、要介護認定調査についてお伝えしました。
事前準備として一番大切なことは、伝えもれのないように、日頃からメモを取る癖をつけ、高齢者の現状を正確に伝えることです。
ありのままの姿を伝えることさえできれば、適切な介護の度合いを認めてもらえる可能性が高くなります。
この記事が正しい介護度判定のために少しでも役立てましたら幸いです。