要介護2の一人暮らしが可能か知りたくはありませんか?要介護2ではどんな介護サービスが受けられるのか、安全に生活するためにはどうすれば良いか気になる方も多いでしょう。
そこで今回は要介護2での一人暮らしにおすすめの介護保険サービスや、安全に生活するための対策を解説します。
一人暮らしが難しくなった際に入所を検討すべき介護施設もご紹介します。要介護2の一人暮らしについて悩んでいる方は是非参考にしてみてください。
要介護2でも一人暮らしは可能なのか?
要介護2でも一人暮らしは可能
結論から言えば要介護2の高齢者にも一人暮らしは可能です。そのためには個人に適した介護保険サービスを利用し、安心して暮らし続けるためのサポートや対策が必須となります。
介護保険サービスには様々な種類があり、複数のサービスを組み合わせることで様々な支援を受けることができます。特に要介護2の方は人によって心身の状態に大きく差があるので、一人暮らしを行う場合は個人の状態に適した介護サービスの計画が肝心です。
要介護2は軽度の介護が必要になり、だんだんと一人での生活が難しくなってきます。ですが適切な介護保険サービスを利用して、安全に暮らすための対策を行えば、要介護2での一人暮らしは不可能ではありません。
要介護2の高齢者の心身の状態
要介護2は日常生活において見守りや手伝いが必要な状態です。3大介護と呼ばれる食事、排せつ、入浴などや、身だしなみを整える、掃除をするといった動作に見守りや手助けを必要とします。
要介護2の方に見守りや手伝いが必要なのは、身体機能の低下によって身の回りのことに支援を必要とする場面が多くなるからです。特に立つとき、姿勢を保つとき、歩くときなどはふらつきによる転倒の可能性が高く、支えが必要になります。
また要介護2では理解力の低下や認知症の発症、進行により、自分で判断を行うのが難しくなってくるのも特徴です。重要な物事を決定する際に限らず、日常で何かを判断する際にも手助けを必要とする場合が多くなります。
要介護2以上の状態では身体機能や認知機能の低下により、日常生活での事故リスクが高くなるのが一般的です。そのため要介護2で一人暮らしを行うなら、介護サービスを利用して身の回りの世話を行ってもらうのが良いでしょう。
要介護2で一人暮らしするためにおすすめの介護サービス
要介護2で一人暮らしをするためにおすすめの介護サービスは、訪問サービスと通所サービスです。どちらも在宅での生活を支援するための介護サービスとなっています。
要介護2で使える訪問サービス
訪問サービスとは介護職員や看護職員などが自宅に直接来訪し、利用者に対して介護や看護を行うサービスです。専門家による定期的な訪問により、身の回りの世話の支援を受けることができます。
要介護2の方が使える訪問サービスには以下のようなものがあります。
介護サービス | 介護サービスの内容 |
訪問介護 | 介護職員が自宅に来て、食事、排せつ、入浴などの身体介護や、掃除、洗濯、調理などの生活支援を行う。 |
訪問入浴 | 介護職員と看護職員が自宅に来て、介護用の浴槽で入浴の介助を行う。 |
訪問看護 | 看護師などが自宅に来て、主治医の指示に基づいた診療の補助や療養上の世話を行う。 |
訪問リハビリテーション | 必要性が認められた場合、理学療法士などによる自宅でのリハビリテーションを行う。 |
夜間対応型訪問介護 | 午後18時~午前8時の夜間帯に受けられる訪問介護サービス。定期的な巡回の他、緊急時の対応を行う。 |
定期巡回・ 随時対応型訪問介護看護 | 24時間365日体制で訪問介護、訪問看護サービスを提供する。地域密着型サービスで、訪問回数に関わらず定額で利用できるのが特徴。 |
訪問サービスで代表的なものは訪問介護です。医療的なケアを必要とする場合は訪問看護を、自宅でのリハビリテーションを必要とする場合は訪問リハビリテーションを組み合わせます。
夜間対応型訪問介護や、定期巡回・随時対応型訪問介護看護は日中だけでなく、夜間にも対応している訪問サービスです。夜間対応の安心感はありますが、利用料金が高くなる傾向にあります。
要介護2で使える通所サービス
通所サービスとは利用者が介護施設に行き、介護職員や看護職員による介護や看護をうけるサービスです。介護に適した施設環境を利用することで、日常生活の支援のみならず、様々なレクリエーションやリハビリテーションを受けることができます。
要介護2の方が使える通所サービスは以下のようなものがあります。
介護サービス | 介護サービスの内容 |
通所介護 (デイサービス) | デイサービスセンターなどの介護施設行き、食事、排せつ、入浴などの日常生活の支援、リハビリテーション、レクリエーションなどの介護サービスを受ける。 |
療養通所介護 | 特に医療的な支援を必要とする人が対象。医師や訪問看護ステーションと連携し、日常生活の支援、リハビリテーションを受ける。 |
通所リハビリテーション (デイケア) | 老人保健施設、病院、診療所などのリハビリテーション施設へ行き、日常生活の支援のほか、理学療法士などによるリハビリテーションを受ける。 |
短期入所生活介護 (ショートステイ) | 特別養護老人ホームなどの入所型の介護施設に短期間宿泊し、日常生活の支援、リハビリテーション、レクリエーションなどの介護サービスを受ける。 |
小規模多機能型居宅介護 | 通所介護を中心に、ショートステイ、訪問介護を組み合わせた介護サービスを受ける。地域密着型の介護施設。 |
通所サービスで代表的なものは通所介護(デイサービス)です。リハビリテーションを中心に介護サービスを受けたい場合は通所リハビリテーション(デイケア)を、特に医療的な配慮を必要とする場合は医療に特化した通所介護である療養通所介護を組み合わせます。
地域密着型サービスの小規模多機能型居宅介護は利用者や家族の状況に合わせて、様々な介護サービスを提供しているのが特徴です。医療に特化した看護小規模多機能型居宅介護もあり、中程度以上の要介護者向けの介護サービスとして近年人気が高まっています。
要介護2で安全に一人暮らしするための対策とは?
住居を安全に暮らせるようにリフォームする
要介護2の方が一人暮らしを続けるには、自宅の安全対策が重要です。高齢者の事故の多くは自宅で発生しています。自宅を安全な空間にリフォームすることで、事故の発生確率を大きく下げることができるでしょう。
自宅を安全に暮らせるようにするには、危険なポイントを押さえることが肝心です。リフォームによって危険なポイントを排除できれば、自宅を事故が起こりにくく過ごしやすい空間にすることができます。
自宅の危険なポイントの一例は以下の通りです。
- 床が滑りやすい、段差がある
- 廊下や階段が狭い、手すりがない
- トイレが和式便器、立ち座りのための手すりがない
- 台所に火災報知器、ガス検知器が設置されていない
- 浴槽が深い、浴室の内外の温度差が激しい
リフォームする際は特に使用頻度と危険性の高いトイレや浴室を優先すると効率的に安全性を高められます。上記の他にも住んでいて困っているところがあれば、リフォームを検討すると良いでしょう。
見守りサービスで日々の生活を見守る
要介護2の方の一人暮らしであれば、見守りサービスの導入がおすすめです。要介護の高齢者の生活では、いつ何が起こるかわかりません。緊急の事態をいち早く察知できる見守りサービスを活用すれば、いざという時に安心です。
緊急事態はいつどこで起こるかわかりません。緊急事態の事例としては起きようしたら腰やひざの急な痛みで身動きがとれなくなったり、トイレで力が急に入らなくなって立ち上がることができなくなったりすることが考えられます。見守りサービスの導入はこういった異常の早期発見に繋がることでしょう。
具体的な見守りサービスとしては以下のようなものがあります。
- 使用したタイミングで家族に通知が届く家電
- センサーやカメラなどのセキュリティ会社が提供するサービス
- 民生委員や地域ボランティアによる安否確認
- 郵便局による電話や訪問の見守りサービス
- 自治体による見守りを兼ねた配食サービス
他にも地域のイベントやサークルに参加することも立派な見守りです。地域の催しに参加することは生きがいにも繋がるので、可能であれば積極的に交流を行うと良いでしょう。
何か起こった場合でも、異常をいち早く察知できれば適切な対処が可能です。要介護2の方の安全な一人暮らしの為には、見守りサービスの導入をおすすめします。
要介護2で一人暮らしが難しくなってきた場合は?
介護施設への入所を検討する
要介護2での一人暮らしに不安を感じる場合は、入所型介護施設の利用も視野に入れる必要があります。認知症の進行具合や身体機能の状態によっては、一人で生活することが危険な場合もあるからです。
特に身体が元気でも認知症の症状が著しく進行している場合は、思考力や理解力の低下により思わぬ事故に巻き込まれてしまうこともあります。交通事故や火の消し忘れによる火事などが起きては取り返しがつきません。
要介護2と言っても、心身の状態は人により様々です。一人暮らしが難しくなってきたと感じたら担当のケアマネジャーと相談し、介護施設への入所の検討をおすすめします。
要介護2の方におすすめの介護施設4選
ケアハウス
ケアハウスは比較的安価で入所できる介護施設です。一人での生活に不安のある高齢者向けの施設であり、自立型と介護型があります。自立型は外部の介護サービスを利用し、介護型は施設スタッフによる介護サービスを提供します。
自立型のケアハウスの入居条件は60歳以上の自立した生活ができる、または軽度の介護が必要であることです。介護度の低い方を対象としており、重度の方は入居を断られる可能性もあります。
介護型のケアハウスの入居条件は65歳以上の要介護1以上であることです。ある程度介護が必要な方を対象としています。介護度が上がっても住み続けられるので人気が高く、入所するまでの待機時間が長くなる場合もあるので注意が必要です。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは介護度の高い方向けの公的な入所施設です。老人ホームの中では最も費用が安く、手厚い介護が期待できます。
入居の条件は原則要介護3以上であることです。基本的に要介護2では入所できませんが、以下のようなケースでは例外的に入所できることがあります。
- 認知症で日常生活に支障を来すケース
- 周囲との意思疎通が困難なケース
- 家族が虐待しているケース
- 一人暮らしで家族や地域による支援が難しいケース
また特別養護老人ホームであってもショートステイであれば、要支援1以上の方が利用可能です。緊急で入所が必要な場合は検討してみると良いでしょう。
介護老人保健施設
老人保健施設はリハビリテーションに特化した入所施設です。比較的費用が安いのが特徴ですが、在宅復帰を目的としており入所期間に3ヵ月から6ヵ月程度の定めがあります。
入所の条件は要介護1以上であることです。設備が充実しており、費用面でも優れているため要介護2の方にはおすすめの施設と言えます。ですが終身利用できるわけではないので注意が必要です。
グループホーム
グループホームは認知症高齢者向けの地域密着型入所施設です。介護施設の中では比較的介護度の低い方を対象としており、認知症対応に特化しています。
入所条件は要支援2以上で、施設のある地域在住の認知症の高齢者であることです。認知症の診断が出ていなかったり、地域に住んでいなかったりする場合は入所できません。
自分でできることは自分で行うのがグループホームの基本方針です。そのため身の回りのことが全くできない重度の方や、自傷他害の恐れがあるなどで集団生活ができない方は入所を断られるケースもあります。
まとめ
要介護2でも一人暮らしは可能ですが、安全な生活を送るためには適切な介護サービスの利用が必須です。在宅向けの訪問サービスや通所サービスは、要介護2の方が一人暮らしするにはおすすめの介護サービスと言えます。
要介護2の一人暮らしに不安を感じるのであれば、入所型介護施設利用の検討も必要です。いろいろ考えても納得のいく答えが見つからない場合は、担当のケアマネジャーと相談してみると良いでしょう。