遠く離れた親のことが心配、でも同居できない!そんなときは?遠距離介護を選ぶ人の工夫

高齢者自身の将来の住まいに対する意向が、時代とともに変化しています。特に大きな変化があったのは、同居を希望する人の数です。

国土交通省の統計データによりますと、1983年の調査では、約45%を超える高齢者が、子との同居を望んでいました。しかし、10年後の調査では、その約半分にまで低下しています。更に、その後もますます減少し、2003年に同居を望む高齢者は14.9%まで低下しました。

また、現在の住まいに住み続けたいという意向が最も多いのは、「75 歳以上の一人暮らし」で、約8割が、住み続けたいと希望しています。

以上のことより、親と離れて介護する人が、今後ますます増えることが予想できます。

オンラインの生活が定着した現代、たとえ親が高齢であったとしても、自分の好きな環境に住みながら、リモートで親を見守り遠距離で介護をする、という選択をする人も増えることでしょう。

今回は遠距離介護の注意点や、便利なサービスについてご説明します。

(出典:国土交通省住宅局 平成15年 住宅需要実態調査結果、厚生労働省 高齢者の住まい を加工して作成)

目次

遠距離介護とは

介護者が、高齢者の住まいとは離れた場所に住み、通いながら介護をすることです。高齢の親を家で介護する方法としては、次の3つのパターンがあります。

①親の家へ移住して介護をする
②二世帯住宅で同居をするなど、親に移住してもらって介護をする
③離れた親の家へ通って介護をする

このうち、経済的・体力的にも負担が増えてしまうのが、③の遠距離での介護です。遠距離介護は、交通費がかかりますし、時間的にも拘束されてしまいます。仕事がある場合、休日との調整も大変です。介護者の負担をどう軽減させるのかを事前によく考えることが大切です。

遠距離介護のメリット・デメリット

高齢者のメリット・デメリット

メリット
・住み慣れた町を離れる必要がなく、これまでの生活環境で暮らせる
・同居ではないので、介護者との適度な距離感が保てる
・家に来てもらえるという安心感

デメリット
・毎回わざわざ来てもらっている、という申し訳なさを感じやすい
・急な体調の変化に気づいてもらえるか不安
・すぐに来てもらいたい時に対応してもらえない

介護者のメリット・デメリット

メリット
・親の環境を変えずに、希望通りの生活を実現させてあげられる
・自身の生活の拠点はそのままに、介護ができる
・親との適度な距離感がちょうどいい

デメリット
・毎回の交通費がかさむ
・往復の時間がかかってしまう
・フルタイムで働きながらは難しい
・夜間など急な対応が難しい
・重度の要介護状態になった場合、続けるのは困難

上手に遠距離介護をするためのポイント

住んでいる地域の介護情報を収集

高齢者が住んでいる自治体によって、介護のサービス内容は異なりますので、事前に調べておくことをお勧めします。

民間企業が有料提供しているサービスでも、自治体独自のサービスで割引になったり、無料で提供してもらえることもあります。

地域包括支援センターが最寄りにある場合は、そちらでも様々な情報を得ることができますので、事前に行ってみましょう。

サービスの一例
・一人暮らしの高齢者へ、電話をかけて安否確認
・認知症の高齢者が行方不明時に、位置を確認できる端末の貸与
・高齢者の徘徊時に、 警察と行政が連携して早期発見する仕組み
・おむつ給付制度
・車いすや専用ベッドなどの福祉用具貸与
・住宅バリアフリー化の改修費支給
・介護者のためのスキルアップ認知症介護研修

本人の希望を確かめておく

遠距離介護をはじめる前に、高齢者自身が介護に関してどのような考えを持っているのか、今一番何に困っていて、具体的にどうしてもらいたいのかをヒアリングしましょう。

そして、遠距離介護が長期化し、認知症が進んだら、どこで暮らしたいかを早めに聞いておくことも大切です。なぜなら、認知症が進んだ状態で意思の確認をすることは難しいからです。

また、直接聞きにくいことは、エンディングノートなどを活用して、元気なうちに、書いてもらうのも良いでしょう。これは、決して人生を終わりにするためのノートではなく、「残りの長い人生を、よりよく生きるための前向きな記録」であり、自分の人生について気づきを得られる利点もある事を伝えましょう。

決して自分だけで抱えこまない

介護は、たとえ同居をしていても、一人では大変なことです。遠距離であればなおさら、精神的にも体力的にも影響が出てしまいます。

何でもスムーズに出来てしまう人は、すべて自分でやってしまいがちです。しかし、周りの人にとっては、何を手伝ったらいいのかがわからなくなってしまい、そのうち関心をもってもらえなくなります。

遠距離介護が必要になったら、まず周りの家族や親戚に知らせて、みんなで話し合いましょう。

遠距離介護は交通費などの費用もかかりますので、後からお金のことでトラブルにならないためにも、誰がいつ通うか、費用負担はどうするのか、最初から決めておくのが良いでしょう。

このように、最初に話し合っておくことで、自分も介護に参加しているんだ、という各自の認識ができます。誰か一人だけに負担が偏らないように、気を付けましょう。

使ってお得!遠距離介護の応援サービス

介護割引のある航空会社

名称は各社異なりますが、介護のために帰省する人限定で割引が受けられます。利用するには事前に登録が必要となっていますので、早目に登録を済ませましょう。

新幹線も年会費を支払ってお得

介護割引という名称ではありませんが、年会費を支払うと格安になるサービスがあります。

エクスプレス予約

一年中お得に「東海道・山陽・九州新幹線」の指定席を利用できる、ネット予約サービス
年会費:1,100円

e5489

JR西日本のインターネット予約サービス
カード会員は、年に1回以上カードで買い物をすると、年会費無料

大人の休日倶楽部 ミドル

対象者:男性は満50歳~64歳まで、女性は満50歳~59歳まで
年会費:2,624円(カード年会費を含む)

大人の休日倶楽部 ジパング

対象者:男性は満65歳以上、女性は満60歳以上
個人会員の年会費:4,364円(カード年会費を含む)

高速バスの方が格安で乗車できますが、長時間乗車した場合、飛行機や新幹線と比べて、やはり疲労感が違います。介護は体力勝負となりますので、そのあたりも考慮しましょう。

警備保障各社が提供するサービス

介護者が不在の日や、夜間などの緊急時に対応してくれる、見守りサービスがあります。警備保障会社が運営していますので、安心して任せられます。その他にも、次のように普段の生活でわかることがたくさんあります。

ガスの使用状況の確認

食事の準備ができているかどうか、つまり、きちんと食べているかどうかがわかります。

電気ポットの使用状況の確認

適切な水分補給の回数かどうかがわかります。極端に少ない場合、体の異常である可能性も高まります。

扉に設置するセンサー

家の中で動きがあるかどうかがわかります。いつも活発な人が、仮に倒れていた場合、扉のセンサーは全く反応しませんので、遠方でもすぐに異常を察知することができます。

介護施設を見学してみたいな、と思ったら

遠距離介護は、高齢者の体がある程度自立していなければ、継続は難しくなってしまいます。そのため、要介護認定の度合いが上がったタイミングで、介護施設を検討する方も多数いらっしゃいます。

また、介護者の家庭の都合により、続けるのが厳しいケースも想定されます。そのような場合は、無理をせず、まずは介護施設選びの相談をしてみてはいかがでしょうか。

紹介のプロへ、すべてお任せ

「紹介のプロ」は、遠距離介護をしている介護者の味方です。全国の介護施設から選べますので、遠く離れた地域でも、安心して相談ができます。

介護施設の希望、高齢者の生活状況など、丁寧にヒアリングしてもらえるのが特徴です。

まとめ

今回は遠距離介護についてご説明しました。遠距離介護は、決して一人で抱え込むものではなく、住まいの地域の介護サービスやご近所など、周囲の人を上手に頼ることがポイントです。

何か急な変化があったときに気が付いてもらえるのは、近くに住む人です。日ごろお世話になっている人へご挨拶をするなど、気遣いは欠かさないようにしましょう。

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