『6の奇跡』
数字には、色々な意味やパワーを持っている。
幾何学的な話からスピリチュアルな話まで。
例えば、縦、横、高さからなる立方体=3次元はサイコロの6面だし
亀甲模様の6角形は連なると永遠に続くので縁起が良いとされてる。
仏教の世界では
六根清浄という言葉があり、視覚・聴覚・味覚・臭覚・触覚・知覚の感覚を浄化する作業を意味する。
また輪廻転生をする6つの世界があるらしい。(地獄道・畜生道・餓鬼道・人間道・修羅道・天道を六道と呼んでいる)
人体で言う、我々の体温を36℃を平熱としたとき、+6℃と-6℃は死の可能性がある。
体温計は42℃までしかなく、42℃が長時間続くと細胞が死に、各臓器に異常をきたす。
30℃は低体温症で死ぬ恐れが出てくる温度だ。
でも、42℃の温泉は熱くて気持ち良いし、30℃は市民プールの温度で、心地良い。
アンガーマネジメント
ここ数年注目されているアンガーマネジメントは、6秒待ったら怒りが収まるというコントロール術。
この6秒の間に
自分は何に対して怒っているのかを問いかけるというものだ。
怒りという感情は二次感情で
悲しいから怒る。
不安だから怒る。
期待に反したから怒る。
裏切られたから怒る。
怒る原因の感情があるのだ。
なんの意識もしないとまったく意味の無い6秒。
これを育児や介護の中に取り入れたらどうだろうか。
時間に追われる介護施設や病院。
トイレに行きたいと呼ばれて訪室するが、入居者さんが靴を履く時間も待てないこともある。
トイレで、ズボンやパンツを降ろすことも待てず、手を出してしまうこともある。
自立支援と言っているが、働く側の都合で不必要な介助をしてしまうことはたくさんある。
靴を履く6秒。
ズボンを下げる6秒。
これを意識しただけで、もしかしたら高齢者は活動量が戻るかもしれない。
私は通所リハビリテーションで働いていたが
先輩達は
「靴を履くのもリハビリですからね」
と、手を出さず
靴を履く動作を見守っていた。
リハビリテーションとは
リハビリという言葉を調べるとラテン語のRe(再び)Habilis(取り戻す)が語源といわれています。 日本語では「全人的復権」という意味で、その人らしく生活する権利を取り戻すこと。
と書かれている。
「リハビリ」
なんて軽く言っているが、靴を自分で履く行為が、歩くことへのリハビリだけでなく、お出かけをすることや、自分のやりたいことをやれる一歩と考えると
福祉施設で働くスタッフの待つ6秒の意味は大きくかわり
また自分の人生を歩き始められる可能性を秘めた6秒となり
もしかしたら奇跡を起こせる6秒になるかもしれない。
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ライタープロフィール
新開 千世(しんかい ちよ)
千葉県流山市内の介護の専門学校で介護福祉士取得。その後働きながら同市内の看護学校にて看護師を取得。病院勤務、老人ホームや老人保健施設勤務、介護事業所で管理職を経たのち、障がい者グループホームを立ち上げる。都内、千葉県内のグループホームに開設から運営、実地指導対策のアドバイスを行う。現在は一般社団法人エイジレスライフ協会にて理事として、また現場では看護師・サービス管理責任者として従事。実務者研修講師(介護過程Ⅲ、医療的ケア)として活動中。
今後はケアマネ、相談支援専門員、終活ガイド士上級の知識を活かし、産業ケアマネとして、企業に参入し保険外での介護離職や8050問題について取り組む予定。また、医療からソーシャルコミュニティの包括的な視点で後見人活動をし、親亡き後も安心して今まで通りの生き方ができるよう支援していきたいと考えている。