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親が認知症で介護施設に入所したら実家の建物はどうする?元気なうちに始めておきたい「家族の信託」

思い出のある実家の建物や土地を、将来的にどうすればいいのか、悩んだことはありませんか?

親が一生ずっと元気で、認知症もなければ、親自身の意思で売却・取り壊しなどの決断をすることができます。

しかし、もし認知症になってしまい、判断能力が低下した場合、不動産の売買を行うことは困難になってしまいます。そうなった場合、実家の建物は、一体どうなってしまうのでしょうか。

今回は、全国的に社会問題となっている、実家の処分の問題について、家族信託で解決する方法をご紹介します。

目次

全国的に増え続ける空き家

国土交通省のデータによりますと、空き家の総数は、1998年~2018年までの20年間で約1.5倍(576万戸→849万戸)に増えています。高齢者が増加するのと比例して、実家の空き家も増加傾向であることがわかります。

空き家が問題となる理由

実家が空き家になってしまった場合、次のような問題が起こります。

防災性の低下

倒壊、崩壊、屋根・外壁の落下、火災が発生する恐れがあります。

防犯性の低下

犯罪を誘発する可能性が高まります。

ごみの不法投棄

空き地や空き家は、ごみを投げ捨てる人が増える可能性があります。

衛生の悪化、悪臭の発生

蚊、蝿、ねずみ、野良猫が発生する可能性もあります。

その他、景観の悪化など

建物が古くなることで、見た目にも影響があります。その他にも、木の枝が隣の庭に飛び出したり、雑草や落ち葉が放置されて荒れてしまう、などのケースも考えられます。

思い出のある実家を売却するなどの決断は、すぐにできるものではありません。しかし、上記のように、実家を放置しておくと、近隣の家へ迷惑がかかることも知っておく必要があります。

(出典:国土交通省 空き家の現状と課題 を元に加工して作成)

認知症で判断力が低下したら、売却できないの?

もし、親が重度の認知症で介護施設に入ることになった時、その費用を捻出するために、実家を売却しようと考えたとしても、本人が自ら売却することはできません。また、家族の判断で売却しようとしても、名義が異なる場合は、当然ながら勝手に売却することはできません。

では、どうしても売却しなければならない場合、一体どうすればいいのでしょうか

実際にこのような悩みを抱える人は増えています。

認知症で判断能力低下後に売却をするには?

認知症で判断力が低下した場合は、成年後見人制度を利用するしか手段はなくなってしまいます。

成年後見人制度とは

高齢者の人権を守り、財産の正しい管理や、施設等への入所の判断を行うための制度です。身体的な介護ではなく、あくまで法律に関する行為のサポートです。

メリット
・不利益な契約の防止
・財産を適切に管理してもらえる

デメリット
・毎月の費用がかかる(裁判所の決定に従い、約数万円程度)
・お金を自由に使うことができない
・裁判所の最終的な判断で、家族や親族以外の専門家が受託者として選ばれることもある

メリットとして、財産管理をきちんと行ってもらえる反面、その費用のために毎月の出費がありますので、年間の支払い総額は、かなりの金額になってしまいます。また、お金の用途まで管理されるため、例えば投資で増やすことはできませんし、誰かにお金をちょっと渡したいなと思った時も、できません。もちろん、生前贈与などをしたくてもできなくなってしまいます。成年後見制度の利用をためらう人が多い理由は、ここにあります。

しかし、財産が減らないように、守ってもらいたい場合には、一番最適な方法です。

人によって考え方は様々ですので、成年後見制度に興味のある方は、各市町村の地域包括支援センターにてご相談ください。

では、毎月のランニングコストがかからずに、リーズナブルに財産管理をする方法はあるのでしょうか。

親が元気なうちに準備できる方法

家族信託についての紹介が、某テレビ番組や新聞等のメディアに掲載され、注目されています。

家族信託とは

高齢者が元気なうちに、家族の話し合いのもとに決めた事項に基づいて、家族が財産を管理する方法です。家族や親族が受託者(財産管理を任せる人)となりますので、高齢者にとって最も信頼のおける人に財産の管理を託すことができ、安心できることがメリットの一つです。

親の実家などの不動産売買についても、親が元気なうちに家族で話し合いをしておき、契約書にまとめることで、万が一、認知症になった場合でも、慌てることなく、受託者が売却することもできます。

成年後見人のように、裁判所の判断で、家族以外の専門家が受託者に選ばれてしまう、というような想定外の事態も起こりません。

家族信託を利用するには?

家族信託を利用する場合は、自分で書類を揃えて手続きを進める方法と、弁護士や司法書士などの専門家に依頼をする方法があります。

手続きを自分でする場合

自分で手続きを行うことも可能です。最大のメリットとしては、費用を必要最小限に抑えられるという点です。

手続きや必要書類は下記のようになっています。

家族信託の手続き・書類の一例

・家族信託のための契約書作成
・銀行で専用口座の準備
・賃貸物件の所有がある場合には、移転等の手続きなど

・戸籍謄本
・登記事項証明書
・印鑑証明書
・固定資産税評価証明書
・公正証書など

その他、税金に関する書類などもありますし、書類の発行には、それぞれ費用がかかります。

以上のように、複雑な手続きになりますので、実務経験がない人にとっては、面倒に感じてしまうかもしれません。よって、弁護士や司法書士などの専門家へ依頼をする方が一般的です。

専門家へ依頼する場合

どこへ依頼するかによっても費用は異なり、50万円以上する場合もあれば、手続き一式すべて込みで30万円前後で提供している場合もあります。初期費用や年額費用が発生するケースもありますので、料金体系とサービス内容は事前によく確認をして決める必要があります。

費用だけを見ると、高額な印象は受けますが、成年後見制度を利用した場合(毎月約数万円の出費が一生続く)と比較すると、決して高くはない、という考え方もできます。

自分ですべての書類を揃えて、修正加筆を重ねながら、手続きを完了させるまでの「手間と時間」を考慮すると、専門家に頼みたい、と判断する場合もあるでしょう。

また、専門家のアドバイスによって、家族会議の段階からスムーズに進行し、最短で手続きが完了するというメリットもあります。このように、第三者が関与することの費用対効果は十分にあるといえます。

まとめ

今回は、実家の売却問題を、家族信託という視点からご説明しました。家族信託は、不動産の売却だけでなく、その他にも目的に応じて、家族で様々な取り決めをすることができます。

家族信託を利用するための第一歩は、家族会議からスタートします。高齢者が元気なうちに家族全員で話し合って、納得する形で契約書を交わしておけば、財産管理の不安もなくなります。

高齢者とご家族が、お金の不安から解放され、安心して暮らせることを、願っています。

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