前回まで
私の名前は仮名:青山(以下青山、私) 仕事は在宅での生活が難しくなった高齢者を介護施設(老人ホーム)などに紹介する、いわば介護の不動産屋さんみたいな仕事だ。(「紹介のプロ」介護施設紹介センター)
私は誰の世話も受けない、早く死にたい
やはり、そうきたか……
第2話
なぜなら在宅で生活しているノブコさんのような方は1回で
はい、わかった老人ホームに行きますは、なかなかないケースだ
誰でも自分の住まいがいいに決まっている
相談で私が大事にしている事が2つある
①多くの事前情報は入れないということ
・名前
・生年月日
・要介護度の有無
・KPの有無 ※1
・在宅or病院
・介護施設を検討される事項
この程度だ
電話で相談いただくことが多いが、だいたい5〜6分で終わる
②実際に会う
映画のセリフで昔あった
「事件は会議室で起きているんじゃない、現場で起きているんだ」
まさにそれだ
長期戦を覚悟しながら、そっとノブコさんに語りかけた
ご飯は食べられてますか
お薬は飲めていますか
どうしてノブコさんは早く死にたいと言うのかな?と
………….. 約2分間の沈黙
役所の担当者と私は顔を見合わせる
すると、ノブコさんが口を開く
お姉さんが亡くなったと
私が大事にしている①を思い出して以下を読んでほしい
事前情報に認知症が進んでいてお金の管理ができない、食事もとれていないとあったとしよう
皆さんはどこの事前情報のワードに注目するだろう
大半の方は認知症ではないだろうか
しかしこれに正解はない
あくまで私の意見として読んでほしい
認知症にフォーカスしすぎてしまうと、お姉さんが亡くなった
ほんとかな?になってしまう
今からノブコさんが発する言葉一つ一つにほんとかな?がついてまわる
大事なのはそこではないと私は思う
あえて私は「お姉さんが亡くなった」
まずここにフォーカスするのだ
なぜならノブコさんの「早く死にたい」を解決したいからだ
私がノブコさんに、そっと語りかける
お姉さんいつ亡くなったのですか?
つづく…
※1 KPとは
「紹介のプロ」介護施設紹介センター by 株式会社i.ホールディングス
〒103-0027東京都中央区日本橋2-1-17
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