「要支援1」はどのくらい軽い?要介護にならないために活用したい、介護予防サービス  

要介護認定とは、どのような介護が、どの程度必要であるかを段階別に示したものです。仮に、認知症が進んでいても、高齢者本人が自分の身の回りのことをできるのであれば、要介護度は低くなってしまいます。その場合、どのようなサービスが受けられるのでしょうか。

今回は、介護度は高くはないが、要支援が必要な高齢者についてご説明します。

目次

要支援1とは、どのくらい軽い?

厚生労働省の発表によりますと、令和元年の要介護認定者の総数は約668万6千人で、そのうち「要支援1」は全国で約93万4千人でした。この数値は全体の約14パーセントにあたります。高齢者の増加に伴い、要介護認定者も年々増加傾向となっています。

(出典:厚生労働省 令和元年度 介護保険事業状況報告(年報)のデータを加工して作成)

要支援1は、以下のように、介護を必要としない状態です。

・要介護認定で最も軽い状態
・基本的な日常生活のほとんど全てを、自分ですることができる
・介護まで必要はないが、一部支援を必要とする場面がある(例:お風呂は自分で入れるが、掃除などのサポートが必要、など)
・立ち上がるときに、体がふらつくなど、安定しないことがある
・支援にかかる時間は25分以上32分未満が目安

要支援1の介護保険サービス

要支援1の高齢者の場合は、主に、要介護にならないための介護予防のサービスを、受けることができます。介護の予防サービスとは、

・食事内容の見直しで栄養改善
・健康を保つための運動や体操の指導
口腔内の機能の向上

などの、生活習慣の見直しが主になります。

自宅での介護予防サービス

要支援1の場合、自宅でも様々な介護予防サービスを受けることができます。

自宅で医療処置(点滴・注射・血圧・脈拍・呼吸・血糖値・検温・床ずれ防止策)
を受けたい場合は?

医師の指導に基づいて、介護予防訪問看護が受けられます。看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などの専門家が訪問します。

家事を手伝ってほしい場合は?
(医療行為以外の家事全般・掃除・洗濯・調理・買い物など)

介護予防訪問介護(ホームヘルパー)が受けられます。 介護福祉士などが訪問します。

薬の管理や、歯の悩み、栄養に関する悩みなど、専門家に相談したい場合は?

介護予防居宅療養管理指導が受けられます。医師・歯科医師・薬剤師・管理栄養士・歯科衛生士などが訪問します。

自宅の浴槽の利用が困難な時は?

介護予防訪問入浴介護(簡易浴槽の持ち込み)を利用できます。 看護職員や介護職員などが訪問します。

リハビリ通院が困難になったら?

介護予防訪問リハビリテーションが利用可能です。理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などが適切なリハビリをサポートします。

通所型の介護予防サービス

介護予防のデイサービス

要支援以上の高齢者が集まって、日中楽しく過ごす場です。家にいるよりも、アクティブになれる、と人気のサービスです。

一日の生活例
・お迎え
・健康チェック
・レクリエーション
・昼食
・入浴
・おやつやお茶をしながら対話
・送り

介護予防のデイケア

食事や入浴はデイサービスと同じですが、その他の時間帯に専門家指導のもとリハビリを行うのが、デイサービスとの大きな違いです。家でリハビリをするのはなかなか難しくても、専門家に励まされながらリハビリに励むと、効果も出やすくなります。

宿泊型の介護予防サービス

家族が急病などの理由で、一時的に高齢者の支援ができなくなってしまった場合に、利用すると便利です。

家で暮らすのとは異なり、規則正しい生活を送ることができますので、この経験をもとにして、高齢者の機能改善や生活の見直しのきっかけにもつながる効果があります。

介護予防ショートステイ

短期間の宿泊をしながら、基本的な日常生活の支援が受けられます。

介護予防医療型ショートステイ

病院などの医療機関へ短期間入所し、専門家によるリハビリなどの支援を受けられます

要支援1でレンタルできる福祉用品

・歩行器
・杖
・スロープ
・手すり

要支援1は一番軽度であるため、レンタルできるものは限られています。

要支援1でレンタルできない福祉用品

・車いすや車いすの付属品
・介護用の特殊なベッドやその付属品
・床ずれ防止品
・移動用のリフト
・認知症徘徊感知器

要介護の人々がレンタルできるものは、ほとんどレンタル対象外と思った方が良いでしょう。逆に、これらが必要なほど、生活に支障があるのであれば、要支援1ではない可能性があります。その場合、要介護認定の審査を再度やり直す必要があります。

要支援1で利用できる住まいの一例

要支援1の高齢者は、身の回りのことが一通り自分でできるため、「介護老人福祉施設」「介護老人保健施設」「介護療養型医療施設」などの施設は入所することができません。
しかし、以下のような住まいは申し込むことができます。

住宅型有料老人ホーム

生活の支援が受けられる施設です。食事や入浴などの、時間帯が決められている場合が多く、全てが個人の自由とはなりませんが、その反面、規則正しい生活をすることができ、健康維持にも役立ちます。

サービス付き高齢者向け住宅(略称:サ高住)

高齢者が暮らしやすいように、全面バリアフリーなど、様々な配慮がされている高齢者専用の賃貸住宅です。介護関係の資格保有者が常駐しており、何かあってもすぐに相談でき、安心して生活できます。食事や入浴についての時間的制限がないため、自分の好きなように自由に暮らせます。

ケアハウス

自立型のケアハウスは、食事や掃除などの家事全般のサポートを受けながら、生活する施設です。比較的リーズナブルに利用できるのが利点です。

シニア向け分譲マンション

賃貸と異なり、分譲のため所有権があります。そのため、家族に相続したり、譲渡することも可能です。施設内にプールやジムなどの設備が併設されており、その分、費用はかかりますが、充実したシニアライフを送ることができます。

まとめ

要支援1は、身の回りのことを自分で行える状態のため、自宅で生活することは可能ですが、高齢者のための環境が整った住まいへ早めに移る、という選択肢もあります。

例えば施設に入って、3度の食事が充実しているだけでも、毎日の楽しみが増え、栄養バランスも改善されます。また、入所がきっかけで、友人関係が広がることもありますし、新しい趣味が見つかったり、行動範囲も広くなる可能性があります。

自宅で暮らしていれば、日々変わらない毎日ですが、施設に入ることで、新しい生活拠点での、楽しい第2の人生をスタートさせることができるのです。

以下の記事で、老人ホームの種類をご説明しています。ぜひお読みください。

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